創業から四代目社長となる堀井工務店の堀井満夫氏。ともかく穏やかな人。そんな印象の人だ。でも、周りの人は口を揃えてこういう。でも、ああ見えても仕事にはプライドがある人。だから現場のチェックも厳しくて抜かりがないから、安心しておまかせできるんですよ、と。
「写真を取るのが好きだったんで、本当はそっち方面の仕事をしたかったんですよ」と堀井社長は振り返る。とはいえ、長男ゆえに現実はそうはいかず、家業を継ぐことを意識して大学では建築を学んだ。しかし、ときは60年代の熱い季節。学ぶどころか、大学紛争でそもそも授業もなかったという。卒業後は建築会社に勤め、約6年間、そこで現場のいろはを学んでから堀井工務店を継いだ。

堀井工務店が建築家住宅を請け負うようになったのは堀井社長の代からで、全体の9割を占め、ほとんどが木造住宅だという。やっぱり家は木造ですからねぇ、と、堀井社長は穏やかに笑いながらもきっぱり。ここにもなにか家に対するこだわりがあるのだろう。
現在、堀井工務店の社員は6人。うち3人が現場監督である。堀井社長いわく「自分でいうのも何ですけどね、3人とも優秀なんですよ。とくにそういうふうに育てたつもりではないんですけどねぇ、とても助かっています。」。確かにキノイエセブンの建築家からの評価からも、堀井工務店の“現場力の高さ”がうかがえる。優秀な現場監督がいる現場のなにが違うのかというと、まず、仕事の段取りがいい。堀井工務店の場合も、次になにをしていくかも、先回りして話を進めてくれるので非常にやりやすいと評判なのだ。そして、仕上がりのチェックもしっかりやってくれるので信頼ができる。ここは大きな評価ポイントというべきところだろう。また、お客さんのお子さんの面倒をみてくれたりして、いつも現場が和気あいあいとしているのだという。3人の現場監督がいずれも優秀で周りの評価が高いというのは、おそらく偶然ではないだろう。堀井社長は「とくにそういうふうに育てたつもりではない」とはいうが、そう、その堀井社長の背中を見てそのようになっていったのに違いないだろう。

木の家は自然素材で建てる家である。それゆえに現場の施工技術もさることながら、信頼というのも非常に大切なことである。キノイエセブンの木の家を支えているのは、こういう現場力の高さでもあるのだと実感した取材となった。

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穏やかで決してでしゃばったような自己主張はしない堀井満夫社長。しかしまわりの信頼は厚い。


オカピで有名なよこはま動物園ズーラシアのすぐそばにある堀井工務店事務所。


事務所内には大正5年以前に創業した企業を顕彰する「創業百年会員企業顕彰」記念の盾が飾られてある。


打ち合わせルームは気持ちよく打ち合わせができるように、いつもきれいに整頓されている。


キノイエセブンのメンバーの松澤静男氏と共同で開催している地域講座。建築家による家造りの実際を紹介。


大きなスキップフロアが特徴的な、堀井工務店の自社設計物件。自社設計の代表作でもある。