2017-10-20

二つ庭の家

設計:松原正明
敷地面積 105.30㎡、延床面積 83.27㎡

この小さな家は両隣と裏の3方は隣家が迫っていますが、道路側はまだ畑が残っている郊外にあります。板張りとグレーの外壁、植栽の緑のバランスがとてもきれい。街並みを清々しくしてくれる外壁の家です。
広い敷地ではないのに玄関までのアプローチが長くゆとりが感じられます。なぜか?
カーポートがありません。自転車置き場と玄関ドアは、板塀で隠されています。歩くところは、大谷石が敷かれ、植栽が考えられています。

コーナーウィンドー

一階は個室と納戸。二階には、対面キッチンとダイニング、一段高くなった畳コーナーがあります。ソファーは置かず腰掛けるのにちょうどいい高さに畳が設定されています。食堂には開放的なコーナーウインドーが設けられ、近隣の綠が窓枠で切り取られ清々しさが室内に広がります。

低い窓

ダイニングと反対側の一段上がった畳コーナーの窓はあえて低い位置に設定されています。これは四畳半のスペースに落ち着きを与え、広く感じられる仕掛けです。窓の下をのぞくと中庭の綠が見えます。隣家の窓の位置も考慮しながら小さな綠のオアシスが設けられていました。

計算された開口部

障子、ガラス戸、網戸が引き込まれる開口部。布団干しや背もたれにもなる転落防止手すり。

書斎コーナー

キッチンの脇には、階段に面した書斎があります。落ち着きのある使いやすいパソコンコーナーです。階段上部のトップライトが小さな空間を演出しています。

美しい開口部

一階寝室の窓は、中庭とつながるように壁が切り取られています。あえてアルミサッシュを使わず、ガラス戸と網戸が引き込まれ、全開になる縁側のついた開口部です。中庭の植栽が美しく見えることにこだわった建て主と設計者の意図がうかがわれます。
木製の窓によって、寝室の落ち着きと気持ちよさが生まれていると感じました。

テレビを置かない選択

この家は、小さくても広さと豊かさが感じられます。なぜだろうかと観察してみました。対面キッチンと食堂、畳コーナーや階段とつながった書斎コーナーが一つのスペースにバランスよく配置され、大きさと位置が計算された窓によって明るさと暗さが居心地の良さを生み出しています。
もう一つの鍵は、テレビが置いてありません!住まい手の賢い選択ですね。誰にでもできることではないかもしれませんが。

(設計:松原正明設計室・松原正明/レポート:半田雅俊設計事務所・半田雅俊)

 

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